
年間を通じて様々なプロジェクトを行っているASP学科。今回は2006年度後期の活動報告として、ARTBEAT KYOTO、AMUSE ARTJAM、「Love?Letter」展の運営スタッフに集まっていただき、それぞれの活動について語っていただきました。
-まず最初にそれぞれのイベント、展覧会についてお話をしていただけますか?北村さんはARTBEAT KYOTOのリーダーとして運営に関わっていました。
北村:ARTBEAT KYOTOは、2005年からASP学科の学生が運営に携わっています。2005年は廃校になった小学校の校舎を、2006年は元銀行の建物を使って行いました。このイベントには毎回テーマがあり、2006年は「自然・女性性・五感・京都から」で、例年通りのアートエリア、カフェ、ライブに加え、新たにショップエリアを開設しました。それぞれ学生がスタッフとして参加し、私は全体を統括する立場で運営を行いました。広報は少し足りない部分もあって不安だったのですが、当日は京都の時代祭りと重なり、ライブの音漏れも効果があったようで、祭りを見に来た人たちを巻き込んだイベントになりました。2日間で1200人ものお客さんにきていただいて大盛況でした。
-次にAMUSE ARTJAMについてお伺いします。
岩澤:AMUSE ARTJAM(以下ARTJAM)は今回が5回目になるのですが、ASP 学科の学生が運営に関わりだしたのが2004年からで、私は2回目にあたる2005年から参加しています。今回は2回生リーダーの一人として活動しました。アドバイザーとして先輩たちもいたので全てを統括するような形ではなかったんですが、昨年に比べてより多くのことを任されるような立場にありました。一般の応募から受賞者を決める公募展なので、まずは応募数の確保、そのための広報活動、応募に対する疑問や質問に答えるための電話対応など、本当に色々なことを行いました。art project room ARTZONE(以下ARTZONE)というASP学科が運営するギャラリー(裏面参照)に事務所を置いていたので、スタッフは毎日のようにそこに集まって作業を行いました。作品の選考は最終的にはアミューズや協賛している会社の方、選考委員の方々が行うのですが、私たち学生スタッフも選考に関して意見を言える機会がありました。
-「Love?Letter」展はいかがでしたか。
横山:「Love?Letter」展は、ASP学科の福のり子先生の授業の一環として行った大きなプロジェクトでした。このプロジェクトでは、展覧会を作り上げることだけではなく、大山崎山荘美術館が収蔵しているモネの《睡蓮》をテーマにしたワークショップなども開催しました。展覧会は、現在活躍中の女性作家4名を招待し、それぞれの作家が大山崎山荘美術館に収蔵されている作品にラブレターを送るというテーマのもと行われました。というのも今回の展覧会は、大山崎山荘美術館は今まで若い女性作家の展覧会をあまり行っていないということ、また山の中にありなかなか足の運びにくい場所にあるということで、どうしたら若い人たちにもアクセスしやすい美術館となるのか、といった問題への試みだったからです。
-それぞれの活動からどのようなことを感じ、また経験しましたか?特に林さんは1回生でしたが、様々な活動に参加していました。いかがでしたか?
林:まず入学してからすぐARTZONEの活動に参加していたので、そこで設営や広報などの基本的な業務はすでに経験していました。その他にはARTJAMとARTBEAT KYOTOに参加しましたが、先輩たちがどういう風に仕事をこなしているのかを見ていて、すごく勉強になりました。
北村:ARTBEAT KYOTOのスタッフは、本当にみんながしっかりしていたのでリーダーとしてすごく進めやすかったです。コアスタッフは約10名と少なかったですが、その分、役割がはっきりとしていて会議などもスムーズに行うことができました。林さんは、新たな試みだったショップを担当してもらいましたが、安心して任せられました。
林:これからも様々な活動に参加したいと思います。先輩から学んだこと、会議の進め方や、広報の仕方、プレスリリースの書き方など細かいことではあるけど、本当に色々と学びました。この経験から自分でも物事を進める力がついたと思っています。
岩澤:色々とプロジェクトを経験してきてうれしいのは、自分が成長できることと、そしてたくさんの人と知り合えるということです。普段の生活では知りあえないような人たちと仲良くなれるのはすごくいいなと思います。展覧会が終わったら作家との連絡も終わり、じゃないんですよね。その後も、近況を教え合ったり、自分が参加している新しいプロジェクトについて報告したり、そういったことが次につながるという意識も生まれました。プロデュース欲というか、また一緒に展覧会したいとか、いろんな人に紹介したい、といった気持ちが湧いてきます。
-今回、この3つの展覧会やイベントを行ってみてどういったことが印象に残っていますか?
岩澤:「Love?Letter」展では、現在第一線で活躍されている作家の方たちと一緒に展覧会を作り上げていくという緊張感がありました。
北村:ARTBEAT KYOTOでは音楽に興味があって会場を訪れた人も、アートエリアで刺激を受けたり、逆にアートに関心があって訪れた人がオーガニックカフェで健康食材について知ったりと、様々な相乗効果があったイベントで、スタッフとしても凄く発見のありました。
林:どの展覧会やイベントでもそうですけど、来てよかったと言ってくれるお客さんがいてくれたことが、やはりうれしかったですね。
横山:毎回感じることですが、イベント当日が近づくにつれてスタッフのモチベーションがあがるというか、テンションがあがっているのが目に見えてわかります。前日は徹夜でふらふらだけど、そういう時でも会議が始まったら真剣な眼差しで話し合ったりできる。やっぱり好きだからできることだと思います。
林:本気で打ち込んだ分、最終日の夜にはすごく寂しい気持ちになりますよね(笑)
全員:そうそう!なるよね。
林:ライブとかを見てお客さんが楽しそうにしているのを、ちょっと離れたところから眺めて、終わってしまうのが寂しいな、なんて思います。
-今回の3つの展覧会は偶然にも、京都に古くからある建物を使っての展覧会でしたよね?
北村:そういったことができるのも学生の街といわれている京都ならではじゃないなかと思います。大学という機関が間に入り、学生がやりたいと思ったことをできる環境を用意してもらっているので、すごく恵まれていると思いますね。
横山:会場を活かすのはとても難しいことですよね。大山崎山荘美術館は、もともとは別荘だったので展示向きの建物ではありません。だから展示を考えるのはなかなか難しかったです。建物のもともとの雰囲気を壊さずに新鮮な空間を作ることが、裏のテーマとしてあったように思います。
北村:今回、展示はそれぞれ工夫しました。ARTBEAT KYOTOでは、建物が改装前の空間だったので、壁に色を塗ったり天井から布を垂らしたり、比較的いろいろなことを自由にできました。ARTJAMでは壁にダンボールを張りました。会場の壁の色がイメージにあわなかったので真っ白の段ボールを手配して、会場全体に張りつめました。最初はどうなるだろうと不安だったことも、だんだんと会議を重ねるうちに可能性が見えてきて。
岩澤:作家が直接そのダンボールに絵を描いたり、パフォーマンスを行うなど、結果的にすごくよかったですね。
北村:最初、作家から苦情もあるかと思っていたんです。でも作家もすごく柔軟でそういった面でも関心させられました。
岩澤:ARTBEAT KYOTOでもARTJAMでも、空間構成を空間デザイン学科の学生と協力して行いました。こうやってほかの学科の学生と接点を持てるのも、新鮮でした。
-現在の1回生や、新しく入ってくる高校生の皆さんになにかアドバイスや伝えたいこととかありますか?
岩澤:何かやりたいけどなにをやったらいいか分からない、という人はぜひ参加してみたらいいと思います。合うか合わないかはやってみてからでもいいんじゃないかな。チャンスはいっぱいあります。プロジェクトもたくさんあるし、そのなかで自分にあったものを見つけていければいいと思います。
横山:4、5月には毎年、ARTZONEやその他のプロジェクトの説明会を開いています。これまで行ってきた展覧会やこれから行う展覧会などをわかりやすく紹介しているので、まずはそういった場に参加してみるといいと思います。それ以外にもきっかけはたくさんあるので、どんどん私たちに話しかけてほしいですね。
北村:4年間の間に自分のやりたいことが必ず見つけられるはずだと思います。自然に自分のポジションが決まるというか得意なことや向いていることがわかってくると思います。
岩澤:私自身、入学するまでは自分が前にでることがあまりなかったんですが、色々な活動するようになって、今度は作家連絡だけじゃ物足りないとか、次は運営をやってみたいとか、欲がどんどんとでてきて、あまり活発じゃなかった昔の自分が、今では嘘みたいです。周りが忙しそうにしているとなんだろうって、気になったり、自分もなにかやらないといけないとか思ってしまいます。
林:そうなんですよね!何もやることない時や、休みの日になると、なぜかARTZONEに集まってしまったりとか。
-北村さんは現在、4回生で就職活動をされていると思いますが、今までの経験が役に立っている点など、ありますか?すでに内定も決まっているそうですね?
北村:そうですね。履歴書で、学生時代一番がんばったことの欄は絶対にARTBEAT KYOTOのことを書いています。そういった経験をふまえて自分の可能性を見てもらえるような企業に就職したいです。まだ就職活動は続けますが、この内定はARTBEAT KYOTOの力だと思います!卒業生でもすでに、ばりばり活躍している先輩たちがたくさんいます。私もそうなりたいと思います。久しぶりに会ったときにお互いの活動を報告して刺激し合えればいいですね。
-ASP学科はチームワークあってこそというか、全回生通じてみんな仲がいいのが特徴ですよね。
林:そうですね。一人ではできないことばかりなので、自然と団結力が強くなります。入学してすぐに、1~4回生を通じて、知っている人ばかりになります。(笑)
-みなさんの団結力の強さがどの活動にも活かされています。ここで経験したことが、みなさんのこれからにつながればいいですね。頑張ってください。今日はどうもありがとうございました。